【チーイリチャー】血を食らえば気分は吸血鬼
沖縄には豚の血液を使った郷土料理があります。その名は、そのままチーイリチャー(血液炒め)。血を食べても大丈夫なの?と思いますが、実は血液を使った料理は世界中にあって、貴重な栄養素がたっぷり詰まった健康食なのです。今回はそんなチーイリチャーを提供している名店を訪れました。
鳴き声以外食うなら、血くらいマストフード
沖縄では、豚は鳴き声以外は全部食べると言う言葉があります。
つまり、まるごと全て食べてしまうと言う事。肉や内臓はもちろん、顔の皮(チラガー)や耳の皮(ミミガー)などは、今はもうメジャーな食材になりましたね。
しかし豚の血液まで食材として活用していることは、まだ知らない方も多いのでは?
沖縄では、豚肉に血液を和えて炒めるチーイリチャーという料理が存在します。
チーイリチヤーは直訳すると、血の炒め物。そのまんまですね!
実は世界のスタンダード!血は高級食材
さて、豚の血液を食材として利用するのは、ゲテモノなのでしょうか?
和食では、そのような料理はあまり見かけませんが、実は世界に目を向けると血液を使った料理は、わりとスタンダードな高級食材だったのです。
ドイツやフランス、スペイン、イタリア、ロシアなどのヨーロッパでは主に腸詰(ソーセージ)の材料として、また東南アジア各国や中国、台湾ではスープの材料として用いられているようです。
日本では、血は穢れとして嫌ったために普及しなかったようですが、世界的に見れば割とポピュラーな食材の様です。
流通量が少ないため高級食材として扱われている国や地域もあるようです。
世界ではスタンダードなのに日本食としては嫌われているので、沖縄の人は今まで表に出しにくかったのでしょうね。卑屈になっていたのでしょうか。
メジャーな琉球料理としてはあまり紹介されてきませんでしたが、最近から健康食として見直されてきて食されるようになった感があります。
「血液」の効能
血液を食材として活用した場合に多様な栄養素も高く、ビタミンなどたっぷりと含まれているため、体調のすぐれない時などには健康食材として用いられています。
それなら、吸血鬼はさぞかし元気ハツラツだったのでしょうね。
久松食堂チーイリチャーはカレーライススタイル
ところで今回、チーイリチヤーをいただいたのは、金武町の久松食堂。
あいにくの雨の日、お昼前にも関わらず既に満席です。
もちろん、この店名物のチーイリチャーをいただきます。
出てきた料理は白飯の上にチーイリチャーが乗っかったカレーライス風スタイル。
お店によっては、別皿で出てくる事もありますので、この店のスタイルなのでしょう。味噌汁ではなく、ミニ沖縄そばが付いているのが嬉しいですね。
本体の上にたっぷりと刻みニンニクが乗っています。先ずはニンニクには手を付けずにチーイリチャーのみを食してみます。
豚バラ肉にタマネギ、キャベツなどと豚の血液を混ぜて作られています。たっぷりの豚肉で食べごたえがあります。
しかし、そのままでは、やはり血生臭さを感じます。初めての方にはけっこう苦手に感じると思います。
次にたっぷりのニンニクを具材と混ぜ合わせてから食べてみます。生臭さは消えて肉の旨味と甘みすら感じます。
ニンニクたっぷりだと、これは美味いです。ニンニクたっぷりの意味が分かりました。これくらい入れないと、あの臭みは消えません。
ニンニク好きにはたまらないでしょうが、食後はニンニク臭が消える事はないでしょう!
久松食堂のメニュー
久松食堂のメニューは、人気のチーイリチヤー以外には、チーイリスパ。他には沖縄そば類や、おかずなど。
しまった!チーイリチヤーを注文するのに気を取られて、チースパをスルーして聞くの、忘れました。
何でしょう?チースパ。おそらくチーイリチャーのライスの部分がスパゲティーになっているのでしょうね。
チーイリチャーの洋風派生メニューでしょうか。この店独自のオリジナルなチーイリチャーかと思われます。
いや見ずらいけど、もしかしてチースバ?沖縄そばでしょうか。再訪問が必要なようですw
他のメニューは、沖縄食堂らしく、味噌汁・おかず・焼きそば(どれも沖縄風ね!)
沖縄そばも3種ありましたよ。沖縄そば大・小に野菜そば。一緒に行った同僚さんは野菜そばを注文しました。
野菜たっぷりのデカ盛りですね。野菜に隠れてる沖縄そばの味はいたって普通(笑)でした。でも野菜炒めが美味しかったですよ。
久松食堂へのアクセス
久松食堂は、金武町金武41、金武町役場入り口近くにあります。
あのタコライス発祥の名店「キングタコス」も近くですので、一緒に立ち寄ってはいかがでしょうか。