灼熱のコンクリート住宅をDIY遮熱塗装で避暑対策
太陽がサンサンと降りそそぐ灼熱地獄の沖縄。そして、そんな沖縄の住宅の主流はコンクリート作り。ただでさえ、高温多湿の沖縄で真夏のコンクリートは熱をため込み、暑すぎます。
そんな沖縄のコンクリート住宅を少しでも涼しく快適にするために動きました。DIYで安く遮熱防水工事をして涼しい夏に変えてやる。そんな屋根工事のお話です。
こんなに暑いのになんでコンクリート住宅だらけなの?
沖縄の少し古い住宅には陸屋根のコンクリート造りの建物が多くあります。
最近でこそ、新建材や木造の住宅も建設されていますが、以前は赤瓦屋根の古い木造住宅に交じってどこを見てもコンクリート住宅でした。
アメリカ軍の基地建設によって基地内に建設されたのは台風に強く、壁のブロックを積み上げて、型枠にコンクリートを流し込むだけで素早く建てられる陸屋根のコンクリート住宅でした。
基地内で戦後の建物建設に携わり、建築を学んだ沖縄の大工さんたちがある程度、収入も増えて潤ってくると自分の家や基地の外の建築工事にもその手法を取り入れます。
そうして瞬く間に沖縄はコンクリート住宅だらけになっていいたと言われています。
コンクリート住宅は、熱をため込む
しかしこのコンクリート住宅、結局は石造りのために昼間の暑い熱をコンクリートの中にため込んでいき、夜になると溜め込んだ熱を放出して、昼間は暑苦しく、夜は蒸し暑く寝苦しいという最悪の生活環境を生み出します。
さて、我が家もこの陸屋根コンクリート住宅、側面の壁こそキレイに塗装されているものの、屋根の上は吹きさらしのコンクリート。もちろんほとんどの沖縄のコンクリート住宅のスタイルです。
溜め込んだ熱を放射するので、エアコンをガンガン効かせまくっても、とてもじゃないけど家の中で過ごす事はできません。夜も朝までエアコンはフル回転です。
いい加減、最近の快適な住宅に引っ越したくもなりますが、ここは実家。ここを快適にして過ごしていく事がコスパ的には最良の選択であることは間違いありません。
この住環境を少しでも快適な状態に持っていく事を考えた場合、熱の放出の原因である太陽熱の吸収を少しでも減らすことを考えました。
断熱防水業者に見積もり依頼
まずは自宅に時々回ってくる塗装会社の営業さんに連絡をとって無料見積もりを作成。
やっぱり本格的な工事になると金額もバカになりませんね。我が家の屋根面積は約55坪。
どちらの営業さんも100万~200万円以上の見積もりを提示して頂きました。。。
もちろんお話になりません。
自分で断熱防水工事は出来ないだろうか
ホームセンターで遮熱防水塗料探し
ゴールデンウィークのまとまったお休みの前だったのでまだ涼しい事ですし、自分でやってみる事にします。
そこで沖縄ではもっともメジャーなホームセンター「メイクマン」へ。
沖縄県内で10店舗近く経営しているのでしょうか!? 生活雑貨から建設資材、ガーデン用品、家電、カー用品などなんでも揃う大型店舗です。(関係者ではありません 笑)
今回は建物の屋上塗装が目的なので迷わず塗料のコーナーへ。売り場には様々な目的別やサイズ違いの商品が所狭しと並べられています。
その中から遮熱性と防水性を兼ね備えた商品をピックアップ。他にシーラーやらローラー、ハケ、作業前の清掃用の高圧洗浄機なども物色して見積もり作成の為に商品撮影と価格をメモ書き。
店内には「写真撮影禁止・メモ書き禁止」の張り紙と館内放送があるが、後日購入するために見積もりを作るんだから必要な事です。
ああいう注意書きや館内放送は同業者対策でしょうけど一般顧客にとっては気を悪くする人もいるでしょうにね。
DIYなら格安にで遮熱防水施工
さて、購入する商品もだいたい決まったので、実際に家に帰って予算の組み立てと建物の計測です。
屋根の面積180平米の陸屋根の塗装工事、材料費20万近くになるだろう事は分かりました。
150万円に比べればダイブ絞り込めましたが、20万もかけるのですから失敗は許されません。
いい経験になるであろうわくわく感と、失敗しないかといったドキドキ不安感の入り混じった気持ちで。
4月の土日とゴールデンウィークを使って作業をします。雨が降らなければいいなと、てるてる坊主に祈りつつ、いよいよスタートです。
遮熱防水工事DIYスタート
屋根の高圧洗浄
先ずは屋根の上の調査。10年前に高圧洗浄機でキレイに洗浄したはずですが、もうこんなに真っ黒です。
この状態のまま、塗装するわけにはいきませんね。塗料が直ぐに剥がれてしまいます。屋根洗浄作業が必要です。
ここで活躍するのが、高圧洗浄機。じつは以前に家回りの掃除をする際に買っておいたんですね。またすぐに活用できるとは思いませんでした。
amazonでも「高圧洗浄機」売ってます。
デッキブラシなどで洗浄作業するとこんな広い箇所、もの凄い筋力と数日の期間を費やします。高圧洗浄機だと短時間でみるみるキレイに!
長年の雨や埃でまっ黒に汚れたコンクリートの陸屋根、わかりやすく一部を残してみましたが、洗浄個所は見違えるようキレイになっていきますね。あと少し!
いかがですか。ピカピカです。屋根の広さが180㎡あるので、洗浄だけで1日がかりでした。デッキブラシでやっていたらこれだけで一週間です。
これで終了でも良いくらいですが、今回は「遮熱防水塗装」。ここからが本番です!
塗料選びにホームセンターへ
そして塗料を購入のためにホームセンターへ。見積もりのためにお邪魔したメイクマンのほか数件まわりましたが、ここが種類も多く安かったのでこちらで選びます。
キャッチコピーの
- 特殊顔料と中空ビーズの相乗効果で太陽光照射時の赤外線を反射し、同じ色の従来の塗料に比べて陸屋根やベランダの表面温度上昇を抑る
- 屋上表面温度に最大13~9℃の差が出る
との表示に惹かれてこちらの「アサヒペン水性屋上防水遮熱塗料」に決めました。
カラーは3色、「ライトグリーン」、「ライトグレー」、「ダークグレー」の3タイプがありましたが、見た目の鮮やかさから「ライトグリーン」を選択。
これが、最初の失敗です。
後で缶を開けて説明書きに気付いたのですが、「「温度差は色によって異なります。ライトグレーで13度、ダークグリーンで9度」
えっ!カラーで温度が変わるんかい! 時すでに遅し。あとで完成写真を載せますが、途中で屋根の色が変わっているのは塗料が足りなくなって追加購入した際に「ライトグレー」を選んだためです。
皆さまもご購入の際は、間違えずに「ライトグレー」を選んで下さい。
二回塗り分の塗料とシーラーを購入して自宅に搬入、次はシーラーの塗布作業です。
陸屋根へのシーラー塗布作業
いよいよ塗装作業です。ここからはゴールデンウィークの休暇中に仕上げるという期間限定の短期決戦です。
たった一人で55坪の塗装作業、余裕はありません。雨での作業中止も一日だけ設定してギリギリの工程表を作成して作業スタート。
しかも私はこのような現場作業は経験がなく、PC作業しかしたことがないド素人。ホントにこの工程がこなせるのでしょうか。
先ずはシーラーの塗布。シーラーはコンクリートの躯体に塗料を吸着させるための接着剤のようなものです。
これを塗らなければ、あとで塗料が浮いてしまって剥がれる事になります。
一気にローラーを使って塗り広げたい所ですが、その前にローラーでは届かない細かい箇所を丁寧に刷毛(ハケ)を使って塗っていきます。
なかなか今期の要る作業です。曇り空に救われました。快晴だったら長時間の作業で熱中症になるところでしたね。
広い箇所はローラーを使ってスイスイ塗り広げていきます。
屋根全体にシーラーを塗り広げましたが、塗リムラがスゴイですね。
吸着が甘くなっては困るので薄い箇所は二度塗りで補修して、明日は遮熱塗料の下塗り作業です。慣れない仕事でぐったりです。
途中、塗料の撹拌作業に失敗したのを気づきました。シーラーを缶から小分けする前に鉄筋を突っ込んで攪拌、そして少量ずつ小分けして塗り広げて行ったのですが、後半に行くに従って液が濃くなって行ったので、2缶目バケツにいったん全部移して思いっきり攪拌すると旨く行きました。
少しづつ成長していく自分が誇らしいです(笑)
遮熱防水塗料の下塗り
シーラーのムラも整えたので、やっと遮熱防水塗料の塗装作業スタート!
シーラーでやらかした撹拌失敗はもうやりませんよ。ちゃんとバケツに移して撹拌。でも今は販売時にホームセンターで缶のまま撹拌マシーンで拡販してくれるらしいですね。
塗装の作業はシーラーと同じく柱周りや隅っこのローラーでは塗りにくい場所から刷毛を使い丁寧に塗りつぶします。
その後、広い箇所はローラーを使って一気に塗り広げていきます。
そして下塗り完了です。
これで完成みたいですが、一回塗では効果が薄いのでもう一工程「上塗り」が残っています。
一人での作業なので毎日、日没までクタクタです。真夏なら倒れてましたね。毎日風呂上がりのビールがこんなに美味いんだなーと実感させられました。
遮熱防水塗料の上塗り
いよいよ最終工程、遮熱防水塗料の上塗り作業です。
心配なのは、下塗りと仕上がりが一緒なのでどこまで仕上げたのか分かりにくいということですよね。これは直前の塗料が乾かないうちに作業を進めなければ、仕上げ塗料の厚みにもムラが出てしまいます。シッカリと気合を入れてスピード作業です。
と、その前に残りの塗料を確認。残量と屋根面積を計算すると、やっぱり少し足りないようです。
追加で買いに行かなければいけませんが、ふと思い出したのだが、「色によって室内の温度差がある」という事。
確か「温度差は色によって異なります。ライトグレーで13度、ダークグリーンで9度」という説明書き。
ならば見た目は悪いが追加分は遮熱効果の高いライトグレーを購入して一部だけカラーを変えてみるか。
で、追加購入して完成したのがコチラ
グレーの部分は居間とキッチン。どうせなら寝室部分にグレーを使った方が良かったかな。
とりあえず完成!! これで真夏の灼熱に耐えられるのでしょうか。節電効果は?防水効果は?
いや~、ゴールデンウィークを全部つぶして、どこにも遊びに行かずにクタクタになりながらの慣れない現場作業。40代の内勤親父には堪えました。
しかし、終わった後の充実感。まさかホントにできるとは。清々しい気分ですね。
最終的にかかった費用は見積もりの20万円をおさえ12万円で済みました。
材料代が実質無料に!そのワケは?
アサヒペンのキャンペーンに応募
今回の塗料の購入の際にチラシをもらったのですが、この塗料を買って施工して写真を撮って送ると、テレビやら空気清浄機やらが当たるらしいです。
とりあえずダメもとで応募してみます。
写真を揃えて塗料会社のアサヒペン遮熱塗料「もらって楽しいキャンペーン」に応募です。
そして2カ月後、おもわぬプレゼントが!
なんと、今回の遮熱塗装工事で思いがけないプレゼントが。
なんと、塗料についていた応募券で施工写真を添付して応募したら、一等が当たりました。
商品は液晶テレビ(当時:12万円相当)、工事に使った材料費も最終費用約12万円。
実はこのテレビ、買おうと思っていた最新機種。つまりボーナス出たら購入確実だったので、実質施工費が無料という結果に。
しかも、「当選は商品の発送をもって」つまりいきなりテレビが家に届いたので喜びもひとしおです。
こんな偶然があるでしょうか。ウソみたいなお話ですが、やっぱり頑張った事は神様も見ていてくれたんだな~と無宗教のくせに神に感謝(笑)
今はありませんが、ウチの写真が実際アサヒペンのホームページにも当時、掲載されていました。
屋上の遮熱(断熱)防水塗装、効果は?
さて今回の遮熱防水塗装工事での効果は?
施工前→施工後
見た目には、スゴくキレイになりました。建物の耐久性もアップしたことでしょう。
実は遮熱塗装を思いついたのが冬の時期で、この作業が終わったら、直ぐに梅雨入り。梅雨が明けたら沖縄はもう真夏の灼熱。
同じ時期の室温を記録しておけば良かったのですが、記録なし。
しかしうろ覚えですが、去年までは夜に帰宅するとかなりムッとする不快感があったのですが、今年はそこまでの不快感はありません。
試しに施工していない離れに行ってみると、かなりの不快感。という事は、効果はあったのではないでしょうか。
しかも思いがけないプレゼントまで。やって良かったとしか言いようがないですね。