沖縄の食堂で注文と違う料理が出てくるわけ【ちゃんぽん・ぜんざい・みそ汁】って何?
沖縄の大衆食堂。本土とは異なる食文化のため見慣れないメニューも。
そんな中、「あ、これなら知ってる」と注文したのに出てきた料理は全然違うなんてことも。
同じ料理名なのにどうして?トラブルになる前に沖縄のディープメニューをおさらいして、沖縄大衆食堂を楽しみましょう。
沖縄と長崎の「ちゃんぽん」は炭水化物違い
「なんか汁物が食べたいな。お、リンガーハットでお馴染みのちゃんぽんだ。お酒の〆にもちょうどいいや。」なんて長崎ちゃんぽんを想像して注文すると意外な野菜炒め??が登場!
これが沖縄の「ちゃんぽん」です。麺類ではなく、ご飯ものです。
沖縄の「ちゃんぽん」は白飯の上に卵でとじた肉野菜炒めが乗っています。だいたいのお店はこれに味噌汁が付いています。
どうして、長崎の「ちゃんぽん」と同名なのでしょうか。諸説ありますが「ちゃんぽん」は、沖縄料理で定番の「ちゃんぷるー」と同じ語源を辿っていて、ポルトガル語、インドネシア語、その他の国や地域でも「混ぜる」といったような意味があるそうです。
海外貿易の盛んだった沖縄と長崎で、外国から伝わった「混ぜる:ちゃんぽん」料理が一方は「ご飯もの」として、一方は「麺類」として独自の進化を遂げたようで、どちらがパクったという事ではないようです。
炭水化物が違っただけですね。
しかし最近の沖縄大衆食堂では、「長崎ちゃんぽん」との混乱を避けるため「沖縄ちゃんぽん」とのメニュー表記が増えてきています。
沖縄の「ぜんざい」は、雪へのあこがれ?
寒い日に「冷えてきたな。食後にぜんざいでも食って温まろうか」なんて沖縄で「ぜんざい」を注文すると、大変なことになります。
出てきた料理は金時豆を甘く煮たものに「かき氷」をかぶせた氷菓子です。これが沖縄の「ぜんざい」です。
暑い季節の長い沖縄では暖かい「ぜんざい」よりも、冷たい「沖縄ぜんざい」の方が、身体を冷やのに最適だったのでしょうね。
あるいは、ウチナーンチュの雪への憧れでしょうか。
沖縄で「ぜんざい」と注文すると、暖かいぜんざいではなくほぼ99%、この「氷入りぜんざい」が出てきます。
沖縄では、移動式店舗や、ぜんざい専門店なども多くあり、定番の沖縄スイーツとなっています。
沖縄の「みそ汁」は、サイドメニューで注文すると大変な事に!
沖縄の「味噌汁」はお椀に入ったサイドメニューの汁物を想像してはいけません。ほとんどの大衆食堂では「味噌汁」はたっぷりと具材の入った「どんぶり」メニューです。味噌汁自体がメイン料理で、白飯やお店によってはサラダ、ポーク卵、漬物などが付いてきます。
また沖縄の大衆食堂メニューは「定食」の表記が無くても、ほとんどのメニューは「定食」になっています。
なので本土の感覚で、「野菜炒めと味噌汁と、ん、味噌汁だけで600円か。高いけどま、いいか。あとライスも」なんて注文した日にはテーブルの上が大変な事になります。
山盛りの肉野菜炒めの大皿と丼に入った大量の具材入り味噌汁&野菜炒めに付いているお椀の味噌汁、ライスが3つ(野菜炒めに付いてるのと、味噌汁に付いているのと、別注のやつね)、あと味噌汁に付いているサラダとポーク卵、お漬物2つ(野菜炒めと味噌汁の分)。スゴイ量です。
一人で食べ切れる訳もなく、数年前によくあったのが旅行者と店のばちゃんとの間で揉めている光景。店のおばちゃんからしたら当たり前すぎて何を怒ってるんだか?って感じでした。大食いチャンピオンとでも思ったのでしょうか。
今では写真でキチンと案内しているお店も増えたので、そんなトラブルも少なくなってきたみたいですね。
沖縄の「おかず」・・。ざっくりすぎないか?
はい、これこそ沖縄の謎のメニュー「おかず」です。
これは、内容はそれぞれの大衆食堂で異なります。豚肉と野菜の煮付け料理だったり、肉野菜炒めだったりってのが定番ですね。
お店の日替わりランチみたいなものですね。でも日替わりランチは別にあるんだよな~(笑)
さすがにこれは沖縄の人でも、「この店のおかずは何?」って聞きますね。恥ずかしがらずに店員さんに聞きましょう!
一度、沖縄市のある食堂で「おかずは何?」って聞いたら、店のおばちゃんに「おかずはおかずさ~」って答えが返ってきました。。
「親子丼」も「カツ丼」も野菜たっぷりな「チャンプルー丼」
沖縄のかつ丼、親子丼。本土のそれとは少し異なります。確かにどんぶり飯の上に、トンカツや鶏肉の卵とじが乗っかってはいるのですが、その間に大量の野菜炒めがサンドされています。
野菜チャンプルーかつ丼、野菜チャンプルー親子丼ですね。さすがチャンプルー文化の沖縄です。たっぷりと栄養を摂ってもらう優しさのあらわれでもあるのでしょうね。
夜でも「ランチ」?沖縄は時差あるんか?
沖縄の大衆レストラン(ほんのちょっとだけ大衆食堂のグレードアップ版)に必ずと言っていいほどある定番のメニューが、Aランチ~Cランチ。
お店によって内容も値段も異なりますが、Cランチ(600円)、Bランチ(800円)、Aランチ(1,000円)と言った感じでしょうか。お店によっては特ランチ(1,200円)なんて高級(笑)メニューも。
内容はほとんど揚げ物(ミックスフライ)にポタージュスープ、サラダ、ライス付き。A・B・Cの違いは、揚げ物の種類や数量の違いです。
ただこのメニュー、ほとんどのお店で終日提供されています。ランチと言っても昼食のランチではありません。夜でも注文できます。
「ランチプレート」に乗っかって提供されているプレート料理なので、Aランチ~Cランチなのです。
確かに「中身(中味)」だから間違いではないが
お店によって「中身汁」や「中味汁」など表記は異なりますが、どちらも「なかみ(じる)」です。
内容は、豚のモツの煮込み料理です。汁物にせずに具材だけを皿に乗せると「なかみ」。沖縄そばに乗せると「なかみそば」になります。
豚の内臓なので、身体の「中身」です。衝撃的なネーミングセンスですが、あっさりとした鰹だしスープでとても美味しいですよ。
ディープな「沖縄食堂」を楽しもう
いかがでしたでしょうか。本土の食堂では想像もできないメニューの数々。
沖縄の大衆食堂には、まだまだ紹介しきれない本土の人にとっては謎のメニューがたくさんあります。
リゾートホテルや、お洒落なレストランだけでなく、下町の大衆食堂を楽しんでみてはいかがでしょうか。
新しい未知の料理と出会い、虜になるかも知れませんよ。古い大衆食堂は、お店のおばちゃんとのお話も楽しめるお店もたくさんあります。
お店が空いていれば、色んな地元の裏事情が聞かれる事もあるでしょう。
ぜひ、ディープな沖縄大衆食堂に足を運んでみてくださいね。