話題の「おんな売店」は風俗店ではなく、相互扶助の地域密着総合スーパーだった
沖縄本島を北部へやんばるドライブ。沖縄ちゅら海水族館に向かう途中で万座毛に立ち寄ると、その直前にいつも気になる看板があった。
「おんな売店」と書かれたそのネーミング。売店というからには何か売っているのか?
おんなを売ってる?まさか!
女性を販売しているというのか?こんな田舎町で真昼間から風俗営業か?いや人身売買か?
今回は、北部ドライブの途中で見かけた、面白看板のお店に突撃訪問してみました。
当たり前だけどおんな売店は「風俗店」ではなかった。

おんな売店の外観
このお店のある場所は、万座毛に向かう手前、恩納村の恩納村役場の近くにあります。
はい、恩納村(おんなそん)というからには、もうネタバレですね。
恩納村の恩納(おんな)にあるから「おんな売店」なのです。
では、道向かいの駐車場に車を停めて店へ向かいます。
店の前には種苗などの棚があり、「酒・たばこ」などの看板も掲げられているところをみると、普通のスーパー?
ほかに系列店がなければ個人商店のようなものでしょうか。
では、そのまま店内へ
おんな売店は、以外にも中は広くて2階建ての総合スーパー
店内に入ると、少し薄暗い感じですが、タイトルに釣られないでください
もちろん普通のスーパーです。大手スーパーほどのギラギラした照明ではないので、暗さを感じましたが、店内に人影は多くにぎわっています。店内をぐるっと一回りしてみます。
青果コーナー、精肉・鮮魚コーナー、お惣菜、日用品などの配列は普通のスーパーの形です。青果コーナーには地元の農家さんが持ち寄った野菜や果実も。

青果コーナー

グロサリー
直売所としての機能も備えているわけですね
お弁当やお惣菜も豊富で安くて美味しそうです。残念ですが、食後直ぐに行ったのでおなかいっぱいです。

精肉コーナー

惣菜・お弁当
沖縄のお弁当屋さんやお惣菜屋さんでよく見かける100円そばがあったので、おそばだけ頂きます。もちろん沖縄そばです。

100円そばセルフコーナー

100円そば
店内を散策中にふと気付いたのがこのお店、普通のスーパー以上に天井が異様に高いのです。これはいったい?
見回すとレジの後ろに階段があるではないですか。
階段を2階へ上がると、一階からの吹き抜けをぐるっと取り囲むように中2階のスペースが。なんとこのスーパー、2階まで売り場まであるのです。小さなお店だと思っていましたが、なかなか広い店舗です。
2階部分にはちょっとした農具や衣料、生活雑貨などが並べられています。
おんな売店、舐めてました。しっかりとした総合スーパーでした。
どこかのスーパーの系列店でしょうか?お店の人にお話を伺うと驚きの新事実が!
おんな売店は、 地域の人たちで共同設立した株式会社「恩納共同売店」
なんとこの「おんな売店」、正式名称は「恩納共同売店」というらしく、この地元恩納村恩納区の人たちで共同運営しているというのです。
社長というものはなく、地域の人たちで選出した組合長と理事数人の持ち回りで運営方針を決めながら運営しているとのこと。
数十年前にスーパーの無かったこの地で、買い物弱者・買い物難民をなくすために住民が株を購入する形で資金を出し合って運営していく「共同売店」というスタイルを選び、自分たちでスーパーを経営しちゃったというわけですね。
地域扶助の精神によって地域の人たちに支えられ続けている住民の宝のような存在だったのですね。
風俗店か?人身売買か?なんて熱くなってしまって大変、失礼いたしました。
調べてみると「共同売店」というシステムは以前には沖縄の各地で営業されていたそうです。しかし過疎化や大手スーパーの進出によって数も減り、このようなシステムのお店は数も少なくなってきたようです。
ちなみに、この「おんな売店(恩納共同売店)は現存する共同売店の中では最大規模のようです。
ギネスに載る日も近いのかもしれません。
恩納バイパスの開通で減り続ける顧客
そんな魅力満載のおんな売店ですが、近年は恩納村の山ルートを通過する恩納バイパスの開通で、海側ルートの旧国道58号線沿いの交通量激減で、お客の数は減り続ける一方らしいのです。
こんなレアなスーパーはぜひとも残して欲しいものです。
バイパスを通過してもコンビニも何もありませんので、万座毛にでも立ち寄りながら「おんな売店」にもちょっと立ち寄って欲しいですね。
北部ドライブの途中にはぜひ「おんな売店」へお立ち寄りください
今回のドライブで発見した「おんな売店(恩納共同売店)ですが、お食事後ということもあり、お惣菜など食することはできませんでしたが、美味しそうなラインナップでしたので、次回はぜひ食べてみたいと思います。
店内にイートインスペースなどもあれば、ゆっくりとお食事もできるのですけどね。
あと農産物の直売など、他のスーパーにはない魅力の商品もありましたので、次回はゆっくりと回ってみたいと思います。
みなさまも恩納村に寄られた際には恩納バイパスで地域を素通りするのではなく、ちょっと中通りにも寄り道してみましょうか。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。