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将来予想ランキングで見る沖縄で人口増加する市町村


日本の都道府県で人口が増加しているのは東京・愛知・沖縄など7都県。人口減少の進む国内で今後も増加が続き、中でも若者の増加や出生率の高い沖縄で人口増加率が高いのはどこでしょうか。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(2018年推計)』の発表した人口増減率ランキングから、上位5位の人口増加率の高いエリアについて考えます。

沖縄の住みたい街ランキングと直結!

沖縄県市町村【30年後の人口増加率予想ランキング】BEST5

 

 

各市町村の人口増減数&増減率は2015年から2045年までの30年間の予想です。

 

第5位:恩納村(国内屈指の海浜リゾート地)

2015年人口: 10,652人(2018年9月、11,100人)

2045年推計人口: 11,926人

2015年からの人口増減: 1,274人増

2015年からの増減率: 12.0%増

万座毛

万座毛

 

特徴:沖縄本島南北のちょうど中間あたり、西海岸に位置する日本でも屈指のリゾート地域です。南北に約27㎞と細長く、ほぼ全域の海岸が沖縄海岸国定公園に指定されており、大型リゾートホテルが立ち並んでいます。

万座毛や琉球村などの観光スポットも多く観光客には馴染みの地域です。

 

人口増の要因と課題:年々増加するリゾートホテルのスタッフや沖縄科学技術大学院大学関連の学生・スタッフの移住などが急激に増えているものと思われます。
しかし、恩納村での癒しのリゾート生活を求めて移住したが、数年後にはスーパーや病院などの利便施設の少なさに転出する者も多いと聞かれます。

移住者にとっての生活のしやすさを充実させることも必要ではないでしょうか。

 

沖縄自動車道から:石川IC、屋嘉IC

 

第4位:南風原町(那覇市のベッドタウン)

2015年人口: 37,502人(2018年7月、38,816人)

2045年推計人口: 42,609人

2015年からの人口増減: 5,107人増

2015年からの増減率: 13.6%増

南風原陸軍病院壕趾

南風原陸軍病院壕趾

 

特徴:沖縄本島南部に位置する町で、沖縄では唯一海に面していない自治体。那覇市や豊見城市、南城市などの6市町に囲まれています。

 

人口増の要因と課題:沖縄の県庁所在地、那覇市のベッドタウンとして町が発展しています。ショッピングモールや道路の建設も進んでいて住みよい街に変貌しています。

ただ街の発展に道路整備が間に合わず、朝夕の渋滞がみられます。那覇市で計画されているLRTとの連携が取れればさらなる利便性が向上する事でしょう。

 

沖縄自動車道から:那覇IC

那覇空港自動車道から:南風原北IC、南風原南IC

 

第3位:豊見城市(空港近くの買物&リゾート)

2015年人口: 61,119人(2019年1月、64,528人)

2045年推計人口: 69,660人

2015年からの人口増減: 8,541人増

2015年からの増減率: 14.0%増

ウミカジテラス

ウミカジテラス

 

特徴:沖縄本島南部の西海岸に位置し、東シナ海に面しています。那覇空港近くの立地を活かしてアウトレットモールや、大規模なビーチなどを整備しています。

市に昇格する以前は、何度か「日本一人口の多い村」となっていました。

 

人口増の要因と課題:那覇市のベッドタウンとしての移住人口増加や、瀬長島から豊崎にかけてのリゾート施設、ショッピング施設(ウミカジテラス、アウトレットモールあしびなー、道の駅豊崎)の建設が進み人気のスポットとなっている。

那覇市のLRTと絡めての公共交通や鉄軌道の整備にも期待したい。

 

那覇空港自動車道から:豊見城IC、名嘉地IC

 

第2位:宜野座村(IT&リゾートを積極誘致)

2015年人口: 5,597人(2018年3月、6,047人)

2045年推計人口: 6,495人

2015年からの人口増減: 898人増

2015年からの増減率: 16.0%増

漢那ダム

漢那ダム

 

特徴:沖縄本島南北のちょうど中間あたり、東海岸に位置する村。阪神タイガースのキャンプ地としても知られている。山間部や南側の金武町、北側の名護市辺野古など3方を米軍基地に囲まれている。

本格的なタラソテラピー(海洋療法)が体験できる「かりゆし カンナ タラソ ラグーナ」も人気の施設。

 

人口増の要因と課題:プロ野球の冬期キャンプやIT企業、道の駅、リゾート施設、などの施設誘致を進めており、若者も増え始めています。

ただバスなどの公共交通の便は悪く近隣の街にも遠いので、今後の移住者の定着率が心配されます。

 

沖縄自動車道から:宜野座IC

 

第1位:中城村(複数大学に近接の学園都市)

2015年人口: 19,454人(2019年1月、21,314人)

2045年推計人口: 25,179人

2015年からの人口増減: 5,725人増

2015年からの増減率: 29.4%増

中城城跡

中城城跡

 

特徴:沖縄県中頭郡の東海岸に位置する村。全国の「村」の中では、人口は全国3位、人口密度と人口増加率は全国2位、人口増加数は全国1位といずれもベスト3に入っている。

村の南部には琉球大学の一部キャンパスあり、隣接する宜野湾市の沖泡国際大学や西原町の琉球大学、沖縄キリスト教学院大学・沖縄キリスト教短期大学とあわせて、複数の大学が近隣にあり、学園都市としての街が形成されている。

 

人口増の要因と課題:近隣に複数の大学が立地しているので学生の居住や、琉球大学東口付近の区画整理で移住者も急激に増えています。

村域は、国道329号線沿い海岸通りの旧集落と丘の上の大学周辺とに分かれていて、雰囲気が異なっており一体となった街づくりができていないように見える。

海側の国道329号沿いも、丘の上の県道県道29号沿いもどちらも道路整備が遅れているので、これからの人口増加に耐えられるのか。

 

沖縄自動車道から:北中城IC、西原IC、中城PA

 

沖縄、30年後の人口増加予想:まとめ

沖縄県全市町村、30年後(2045年)の推計人口リスト(赤は増加、青は減少の予想)

沖縄県市町村2045年予想人口

全国的に人口減少が進む中で、沖縄の一部市町村にはまだまだ人口の増加する地域があります。

首都圏や大阪・名古屋周辺以外の地方都市では、とても珍しい現象なのです。

予想増減率(数)は、2015年から2045年の30年後ですが、今回の5市町村は既に予想を上回る勢いで人口増加しています。

特に増え続けているのは、本島内のリゾート地域か那覇市近郊のベッドタウン。

自然増加も多い沖縄ですが、今回の増加率の高い地域に共通しているのは、移住者が多いエリア。

せっかく当地に夢を抱いて移住してきた人たちが期待外れで転出してしまわぬよう、住みやすさを高めていく努力も必要でしょう。

また人口増加が予想されるのは沖縄本島の市町村のみで、離島の市町村は減少傾向にあるのが残念です。